三玉香玲展『よむけしき』
日時:2011.09.06(TUE)-09.10(SAT)
会場:RECTO VERSO GALLERY │ http://www.recto.co.jp/verso/
空間全体に対して円を描くように展示した作品約30点と書作品3点を中心とした展示です。
日本の伝統的な万葉仮名で書かれたかな文字は、現代の出来事を示す内容には見えないかもしれません。
出来事を風化させないことや、誰かのことを想いながら時間を費やすことについて、
もう一度問い直す機会になればと思っています。
読む事のできない字を観たとき、
私はどこか遠くの懐かしい景色にもみえた。
字は事実を抱え出来事を抱えている。
目の前にある日常は、時々ほろほろと崩れてしまう。
かすかな気配を残すだけの字の跡と、景色の境界線は曖昧で、
そのあるかなきかの存在は、
普段気にもとめない出来事を、思い出そうとするのかもしれない。
書き留め繋いでいくことは、
小さな景色を紡いでいくことであり、
また人と人を繋いでいくことでもあるのだと感じる。
そうして忘れられた字から新たな景色が広がっていく。
字からまた別の景色が立ち上がっていく。
(三玉香玲)